季節の変化と共に食も変わります。
それぞれのお身体に合ったものは当然のことながら、旬の食材だけでなく秋は肺や皮膚など呼吸器系に属する臓器が乾燥しがちです。感想は体調を崩しやすくしてしまう症状の一つでもありますので、今回は特別編と致しまして「秋に食べると良い食」と「旬の食材」をご紹介いたします。
☆津液を補い肺を潤す
→白きくらげ・松の実・白胡麻・ゆり根・卵・牛乳・豆乳・クコの実
☆胃を養い津液を生じさせる
→ きゅうり・トマト・白きくらげ・胡麻・豆腐・ビワ・梨・りんご
(津液は、中医学において血液以外で体内にある液体のこと)
◆秋が旬のお魚
海水温が下がる秋が旬の魚は、寒さから身を守ろうとするため脂がのり、風味や甘みが増します。種類が豊富で、季節に合わせた旬の食材をしっかりとることで健康保持に役立ちます。今回は代表的な種類をいくつかご紹介いたします。
●サンマ
秋のサンマは、特に脂がのっていて絶品です。
品質低下のスピードが早いため、塩焼きや煮つけにするのが一般的ですが、新鮮なサンマが手に入ったらDHAやEPAを余すことなく摂取できる刺身がおすすめです。DHAやEPAには、血液をサラサラにする、脳を活性化させるなどのさまざまなはたらきがあります。
●鮭
9~10月に獲れる鮭は「秋鮭」と呼ばれ、北海道での漁獲量が多い魚です。
脂質が控えめのさっぱりした味わいになるため、フライやムニエル・バター焼きが特におすすめです。
●カツオ
カツオは春と秋に旬を迎え、秋に獲れるカツオを「戻りガツオ」と呼びます。
濃厚な風味ともっちりした食感が楽しめるため、お刺身やたたきに向いています。
◆秋が旬のお野菜
旬の野菜は、他の時期に収穫されたものよりも栄養価が高く、反対に価格はお手頃になる傾向があるのですごくお得です。秋が旬のお野菜をいくつかご紹介。
●きのこ(ぶなしめじ・しいたけ・舞茸)
ぶなしめじ・しいたけ・舞茸をはじめ、きのこの多くは秋に旬を迎えます。ビタミンDやビタミンB群・食物繊維・カリウムなどが豊富で、低カロリーのヘルシー食材です。朝スッキリできず腸内環境を整えたい方や、疲労回復したいときの栄養サポートにも役立ちます。
●さつまいも
秋から冬にかけて旬を迎えるさつまいもは、ビタミンCやパントテン酸が豊富です。皮にはアントシアニン(ポリフェノールの一種)や、多くのカルシウムが含まれています。ゆっくり加熱すると酵素のアミラーゼが働いて甘さが引き立つので、オーブンや蒸し器で時間をかけて熱を通すのがおいしく食べるコツです。腸内環境の改善に役立つ食物繊維も豊富なので、ダイエット中のメニューにもぴったりですよ。
●かぼちゃ
国産かぼちゃは夏から秋に収穫されますが、その後2~3か月間寝かせ十分に甘くなってからスーパーに並ぶため、秋から冬に旬を迎えます。ビタミンB1やB2・C・E・β-カロテン・食物繊維などの栄養素が豊富です。古くからかぼちゃは、保存性と栄養価の高さから「冬至に食べると病気にならない」といわれてきました。実際、カットしていないかぼちゃの場合は、常温で2か月ほどと長く保存することが可能です。
●れんこん
秋から冬にかけて旬を迎えるれんこんは、風味が良くビタミンCや食物繊維が豊富です。調理方法によって食感が変わり、すりおろすとトロッと、すりおろしたものを加熱するとモチモチに、乱切りにして煮るとホクホク、輪切りにしてサッと炒めるとシャキシャキなど、さまざまな食感が楽しめます。
切り口が空気に触れると変色するのは、ポリフェノールの一種であるタンニンが原因です。色良く仕上げたいときは、酢水につけると予防できます。
●ごぼう
秋から冬に旬を迎えるごぼうは、皮の部分にも旨みや香り成分を多く含むため、すべて剥かずにたわしでこする、包丁の背で軽くこそぐ程度の下処理で調理するのがおすすめです。ごぼうは最近までほとんど日本でしか食用とされていませんでしたが、近年では台湾をはじめ、アジアやヨーロッパの一部でも食べられるようになりました。食物繊維が多いヘルシー食材として注目を集めています。
●秋なす
なすは夏野菜のイメージが強いものの、秋に収穫される「秋なす」は、また違ったおいしさを楽しむことができます。夏のなすは水分を多く含んでみずみずしいのに対し、日差しがやわらいでから育つ秋なすは、旨みと甘みが強く、実も皮も柔らかいのが特徴です。高知県で多く収穫されます。あまりのおいしさから、「秋なすは嫁に食わすな」ということわざまで生まれたほど。しかし、意地悪な意味ではなく“なすはカラダを冷やすので、健康を気遣って食べさせたくない”という解釈で使用される場合もあります。炒め物やお浸しといったさまざまな料理に使える万能野菜のひとつです。
旬の食材を楽しんで食べてみて下さい!